何故、こんなに料理がすきかというと、やっぱり、おいしいものに対する欲求が人並み以上にあるんだと思います。これは、両親からの遺伝です。
　
父親は、持てるすべての情熱を食事にかけていました。子供でも、食事だけは経済性無視でどこでも連れていってくれましたし、おいしいものを食べるのがなによりの幸せでした。母親も、料理の食材をけちけちしたことはありませんでしたし、父に、家の食事が一番おいしい、と言わせるためにいつも新しいメニューに挑戦していました。７０歳を超えた現在でも、新しいレシピ探しに燃えています。

こんな遺伝子を持った私でしたが、結婚するまでは、母の料理を食べる側で、ほとんど包丁をもったこともありませんでした。少しずつ練習しよう！なんて思ってたら、夫がいきなり魚をまるごと買ってきて「さあおろせ。刺身にしろ！」と言われたのにはまいりました。夫の食に対する情熱は、父以上でした。

ゆっくりと料理の練習をするのを待ってくれるような人ではありませんでした。驚きました。

魚のさばき方、包丁の研ぎ方は結婚してすぐに強制的に覚えさせられました。その他にも、餃子の皮を作ったり、うどんを打ったり、今では重宝していますが、当時は結婚する人を間違えた。と結構本気で悩みました。

今では、生来食いしん坊の私と、それを上回る食いしん坊の夫のために、日夜キッチンで奮闘することとなりました。この１５年間、さまざまな料理の本や新聞の料理欄の切り抜きなどを参考に、いろいろな味にチャレンジしてきました。旅先では、いつも真っ先に市場へ出向き、変わった食材やおいしい食物はないかと見て回るのは、結婚当初からの変わらない習慣です。